最近、発酵が気になるけど、どうやら発酵には微生物が関わっているらしい‥微生物ってどんなものなの?
そんな方に向けて、発酵に関わる微生物についてご紹介いたします。
発酵について詳しくなり、今よりもっと発酵のことが好きになる内容ですのでぜひお気軽にご一読ください!
この記事で学べることは次の通りです。
・発酵とは何かがわかる
・発酵に関わる微生物の働きがわかる
・発酵に関わる微生物の種類がわかる
微生物を知り、発酵について詳しくなりましょう~!
Twitter @Natenate2021
そもそも発酵とは
まずは前提となる知識から。
発酵とは、微生物(酵母や細菌など)が有機物(糖やたんぱく質など)を分解し、なんらかの物質(乳酸やブドウ糖など)を生み出す現象のことをいいます。
微生物と聞くと「身体に悪い」「有害」「汚い」など、
悪い印象をうける方が多いと思いますが発酵に関わる微生物はすべて有用なのです。
発酵に関わる微生物が有用な3つの理由
発酵に関わる微生物。
有用なものって言われても、本当なのかしら?
微生物は発酵の主役といえる存在であり、私たち人間に様々な恩恵をもたらしてくれるとってもありがたい存在です。
では、微生物が有用と言われる主な理由を3つ詳しくご紹介いたします。
①微生物自身が酵素をもっている
酵素は人の体内に存在し、食べ物を必要な栄養素に消化・吸収・代謝・分解する働きをもっています。
例えば、お米などの炭水化物を食べた時はアミラーゼという酵素が働き、お米に含まれる糖をブドウ糖という脳を動かす唯一のエネルギー源に分解してくれます。アミラーゼがいなければ、ブドウ糖を生み出すことができないのでエネルギー不足に陥り大変な状況を引き起こす可能性もあるでしょう。
発酵に関わる微生物はそんな酵素を自分自身で所有しています。
ゆえに、一見悪い印象をもってしまいがちな微生物でも、実はとっても有用な存在だと断言できるのです。
人間が生きていく上で大切な酵素を所有している微生物。あなどってはいけませんね。
②微生物が食べ物をおいしくする働きをもっている
代表的な例としては発酵食品があります。食品を発酵させると、微生物が活躍し食べ物のおいしさを向上させてくれます。これは、食品に含まれる元の性質が微生物の働きで変換されているため起こる現象です。
身近な例ではぬか漬けがあげられます。野菜をぬかに漬けてしばらくたつと、独特の香りと旨味のあるぬか漬けが完成します。(ぬか漬けを食べたことある方なら、あの独特の旨味分かりますよね?☺)
この変換は、野菜を漬ける前の状態から更においしさ・栄養価がアップしている証拠です。そして、身体に吸収しやすい栄養素を豊富に含んだ状態でもあるので、効率よくエネルギー補給するのに役立ちます。
おいしさだけでなく、栄養価も向上させちゃう微生物。働きに感謝ですね…!
③微生物が腸内環境を整え免疫力をアップしてくれる
発酵作用で活躍する微生物は、私たちの腸にいる善玉菌を増やす働きをしてくれます。善玉菌が増えることにより、悪玉菌の減少・腸のぜん動運動が活発化するなど良い腸内環境を作ることができます。その結果、腸内環境が整い免疫力アップに繋がります。
微生物が生み出す善玉菌の働きで、腸内環境が整い免疫力UP!便通でお悩みを抱える方は積極的に発酵食品をとるのがおすすめです。
発酵に関わる微生物の種類
ではここまで紹介してきた発酵に関わる微生物にはどんな種類があるのでしょうか?
一般的に紹介される3つの分類を紹介いたします。
細菌(バクテリア)
発酵に関わる微生物1つめは細菌です。
細菌は、0.001mmとかなり小さい単細胞の微生物です。
発酵に関わる細菌の具体例は、乳酸菌、酢酸菌、納豆菌、放線菌があげられます。
ヨーグルトやチーズ、キムチを作る際に活躍する微生物:乳酸菌。
納豆を作る際に活躍する微生物:納豆菌。
お酢を作る際に活躍する微生物:酢酸菌。
個人的に、乳酸菌=細菌というのは、なんとなく違和感を感じます…(笑)しかし、分類的にはこれらすべて細菌の一種となります。
※単細胞とは、1個の細胞からなる生物のことをいいます。
酵母菌(イースト)
発酵に関わる微生物2つめは酵母菌です。
酵母菌は、0.02mmと小さい単細胞の微生物です。
発酵に関わる酵母菌の具体例は、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、パン酵母が該当します。
ビールを作る際に活躍する微生物:ビール酵母。
ワインを作る際に活躍する微生物:清酒酵母。
パンを作る際に活躍する微生物:パン酵母。
これらすべて酵母菌の一種となります。
カビ(モールド)
発酵に関わる微生物3つめはカビです。
カビは、0.1mmと辛うじて目に見えるくらいの、多細胞の微生物です。
発酵に関わるカビの具体例は、麹菌、アオカビ、カツオブシカビが該当します。
塩こうじや醤油こうじを作る際に活躍する微生物:麹菌。
ブルーチーズを作る際に活躍する微生物:アオカビ。
鰹節をつくる際に活躍する微生物:カツオブシカビ。
これらすべてカビの一種となります。
※多細胞とは、多くの細胞からなる生物のことをいいます。
発酵の例
微生物が関わる発酵は、私たちの身近なモノに使われています。
具体的にどんな場所で、発酵が使われているのかをご紹介します。
発酵食品
みなさんもご存じ発酵食品。
前項でも解説しましたが食品を発酵することでおいしさや栄養アップ効果が見込めます。
発酵食品の例)ヨーグルト、漬けもの、納豆、チーズ、塩辛、ザワークラウト、パン、サワークリームなど
私自身大好きなパンも発酵食品の1つです☺
発酵することでふんわり膨らみ、もちもちふわふわなパンができているんですね(∩´∀`)∩
発酵しないパンも作れるみたいですが…しっかり発酵することでおいしさ引き立ちますので発酵工程は省かないことをおすすめします!
発酵飲料
みなさんの身近にある発酵飲料。
発酵飲料は、アルコールを含んだものが多いです。アルコールというと、身体に悪い印象を持たれる方もいらっしゃると思いますが、実は違います。
例えば清酒であれば、美容・保温・保湿効果をもっていますし、適量の摂取を心掛ければ生活習慣病予防へも効果的です。飲みすぎてしまうから健康へ悪影響をもたらすのです。
発酵飲料の例)日本酒、ビール、焼酎、テキーラ、ラム、ウォッカ、甘酒、ウーロン茶、紅茶、カルピス、など
発酵調味料
こちらもみなさんのご家庭でよく見る発酵調味料。
発酵調味料をうまく活用すれば、毎日健康によい生活をもたらすことができます。
例えば、味噌。「味噌は医者いらず」と呼ばれるほど、身体によい効果をもっている発酵調味料です。具体的には、がんの予防や血圧低下、美白効果、整腸作用などの効果が味噌にあるといわれています。発酵調味料は、料理の味付けに用いやすく手軽にとりやすいので、積極的にとりいれていくのがおすすめです☺
発酵調味料の例)米麹、塩麹、お酢、味噌、醤油など
ここからは、発酵が使われている意外なモノをご紹介します!思わず、え!こんなところに使われているの⁉となるモノもあると思います笑 ぜひ見てみて下さい^^
農業への利用
発酵作用を利用して、微生物農薬や肥料が作られています。
発酵作用によってつくられる農薬や肥料は、微生物が生み出した自然なものであり安全性が高いと言われています。
(人工的に作られるものよりも安心感を感じますよね!)
医薬品への利用
発酵作用を利用して、抗生物質や胃腸薬、抗がん剤が作られています。
アオカビやコウジカビなどチーズ、麹を作る元となる微生物が活躍して生み出される医薬品は体の不調を治す物質・薬として役立っています。
大沢たかおさん主演「JIN-仁-」で出てきたペニシリンもまさに、発酵作用から生み出されたものです。見返してみるとこれかー!ってなりますよ☺
その他
発酵作用はバイオ燃料の生産、環境浄化、プラスチックの生産、洗剤の生産などにも使われています。地球全体の環境をよくするものから、私たちの身近にあるものを作る作業まで、実に幅広く活躍しています!
まとめ
いかがだったでしょうか。発酵に関わる微生物は有用なものであり、食べものをおいしく、腸内環境を整えるなど私たちの健康を一助してくれる存在です。
この発酵食品には、どんな微生物が働いているのかな?と気にかけてみるのも面白いかもしれません!ぜひ試してみて下さい(∩´∀`)∩
コメント